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女子向けホラーを探すブログ

小野不由美のゴーストハントが好き!もう何年も新作を待っている人が、食わず嫌いしながら好みのホラーを探します。

百鬼夜行抄の凄いところ

女子向けホラーというか、女子向けに収まらない妖怪ホラー漫画の金字塔、それが『百鬼夜行抄』らしいです。

あらすじはざっくり、妖怪や不思議なものを見られる祖父の素質を受け継いだ青年が、祖父と因縁の深い使い魔や同じく「見る」ことの出来る従姉妹とホラーな体験をする話といった所でしょうか。

1995年に連載開始、以後21年経つ現在もNemuki+(ネムキプラス)で連載中です。時代に左右されない美しい絵柄と安定した作画、小説や映画を見ているような無駄のない計算された筋運びなど、全体としての完成度が滅茶めちゃ高い作品です。この全てを一人の人間が生み出したなんて、今市子先生は超人かと、全然イマイチじゃねーじゃねーか!と叫んだ読者は山ほどいるんでしょう。現在も着々とファンを増やしながら刊行の続く根強い人気の漫画です。

もっと褒めると、ドラマ化したり、舞台化したり、NHK漫画夜話に取り上げられたり、文化庁メディア芸術祭の漫画部門優秀賞に選ばれたり、とにかく世間的にも高評価の文句なしの傑作ホラー漫画なのです。全部ウィキペディアの知識です。

と言うのも私、この漫画に出会ったのはまだほんの数年前の話なのです。古本屋さんの百円コーナーで出会ったのです。お前、本当に真面目にホラー探してたのかよ!ってくらい遅い出会いです。それまで名前を聞いたことも無かったのです。あらすじを見て、「あっこれ好きそうなやつだ」って有るだけ買って帰りました。

ホラー好きの方にはあり得ないって思われそうですが、私は『百鬼夜行抄』の名前すら知りませんでした。実際のところ漫画好きに聞いても知らない人もいるのです。勿体無ない話です。だからこそ、世に認められ評価されまくってきた作品も、今更ながら一応語っておきたいのです。

さて、この話はぶっちゃけ『蟲師』や『夏目友人帳』と似てますよね。私は読んだ順で言うと、こちらの二作品が先だったのですが、ではなぜこのブログで二番に取り上げるのが『蟲師』でも『夏目友人帳』でもなく『百鬼夜行抄』なのかと言うと、単なる好みです。

ゴーストハント』みたいなホラーを探していた私が、「本屋に並んでいる中で」見つけた一番好みに合ったホラーがこれだったのです。

というのも、私は幽霊や妖怪みたいな得体の知れないものを、考察推理して退けたりやり過ごしたりする展開が好きなのです。一見でたらめに見える怪異も、よく調べてみればこんな法則性があって、原因があってと判明していく過程が好きなのです。そこにある人情とか人間ドラマとか、人の命の儚さ尊さ、もっというと道徳と言うのは二の次で、謎を解いていく過程こそが一番大切なのです。怪異の動機となる人や妖の感情さえ謎解きの歯車として組み込んで物語にする。種明かしまでの道筋をしっかり描いてくれる作品が『百鬼夜行抄』なのです。

作者は神の視点と言うのでしょうか。登場人物の誰に肩入れするでもなく、ただ淡々と始まり淡々と収束するまでを繊細で美しいイラストで描き出す。いっそ読者によそよそしさを感じさせるほど、物語は出来上がっていて、『ゴーストハント』とはまた違った「こんなの初めて!」といった読後感があります。第二の『ゴーストハント』ではないけれど、たくさんの人に愛される納得の名作です。